大津綾香 独占インタビューのメインビジュアル

現代が抱える「求人・雇用問題」に取り組む

岸田内閣は、内閣改造と自民党の役員人事を刷新し、第2次岸田内閣を発足させた。その目玉は、上川陽子外務大臣を始めとする過去最多の5人の女性大臣だった。内閣改造後の支持率は低下したが、女性閣僚の起用については概ね高評価を受けた。

そんな時世の中、女性政治家として新たな注目を集める人がいる。
大津綾香、30歳。前NHK党の党首を務めた後、2023年3月8日に政治家女子48党を立ち上げ、11月6日からみんなでつくる党へ改名した。

幼少期から子役として活動し、2002年から3年間は、NHK『週刊こどもニュース』でジャーナリスト池上彰の娘役を務めた。建築デザイナーとして働いていた今年1月、YouTubeで政治団体「政治家女子48党」の候補者応募広告を見て入党。3月8日、当時のガーシー参議院議員の国会欠席による懲罰処分を受け、NHK党の立花孝志党首が引責辞任。党名を「政治家女子48党」に変更するタイミングで、大津氏は新党首に抜擢された。

4月には、いきなり神奈川知事選に挑戦し、落選。続いて東京都目黒区議選にも出馬し、落選と、まだ議員の経験はないが、精力的に政治活動を続けている。公式ツイッターのフォロワーは3万2000人を超え、注目度を高めている。

そんな大津氏に、この度、独占インタビューを実施。
少子化・子育て問題や若者の雇用問題など、現代が抱える社会問題について、その考えを聞いた。

――「子育て」や「少子化」問題に関連する街や施設を視察していますね

はい。この夏、群馬県前橋市にある東日本で唯一の小学生(14歳未満)の受け入れを行っている赤城少年院を視察しました。昔は暴力事件などで少年院に入る子が多かったのですが、近年は詐欺などの犯罪で入所する子が増えています。また、ネットを通じたやりとりばかりのせいで、コミュニケーション能力の発達障害が多いそうです。

そこで、少年院では、子どもたちが「学ぶ楽しさ」を学べるように、さまざまな取り組みを行っているそうです。彼らが育てたジャガイモは、地元のスーパーで販売されているほどです。また、彼らが制作した展示物も、とても芸術的でした。気持ちよく学べる機会さえあれば、子どもたちはさまざまな可能性を秘めている。大人たちが子どもたちの「自分で考える力」を育てていくことで、現代の少子化や教育問題にも解決のヒントが得られるはずです。

また、兵庫県尼崎市のユース交流センターにも訪れました。この施設は、青少年の健全な育成や福祉の増進を目的として、市内の青少年の居場所づくり事業に取り組んでいます。若者たちが自らアイデアを出して運営しており、かつては虐待を受けていた児童やヤングケアラーたちが、その経験を生かしてボランティアでカウンセラーなども務めていました。とても素晴らしい場所でした。

いわゆるサポートステーション(サポステ)ですね

――いわゆるサポートステーション(サポステ)ですね

両親の共働きが当たり前になる中、地域ぐるみで子育てを支える仕組みは、これからの日本にとって、とても重要だと思います。また、子育て世代の転入者が年々増えている千葉県流山市の取り組みも、とても参考になりました。

まだ十分とは言えませんが、そのような地域や施設は存在しています。

今年度から「部活動の地域移行」がスタートし、教育も学校教師だけに頼らず、地域の専門家を活用する動きが広がっています。しかし、依然として「子育ては母親、教育は学校教師」といった前時代的な感覚のままでいる地域も少なくありません。

良い制度や施設は、その存在や活用方法が十分に知られていないことが少なくありません。そのため、私は政治家として、それらを広く周知し、誰もが活用できるようにしていくことが重要だと考えています。

私はまだ知識も人脈も豊富ではありませんが、さまざまな人々と交流し、現場の声を聞くことで、国や街を良くするためのアイデアや言葉を得たいと考えています。

――近年、大手塾の講師が女子小学生の生徒に対して不適切な行為を行った事件が発生し、子供を守るための体制に不備がある可能性もあるかと

「教員による児童生徒性暴力防止法」は、昨年から施行されていますが、この法律には数々の抜け穴が存在していると指摘されています。学校で不適切な行為を行った教員が、塾や予備校で働けるという状況は、子供を守る法律として十分ではないと思います。

子育て支援策は、単にお金を配るだけでは効果的ではない。中身の伴った制度を作らなきゃ。

そういう政治活動を進めていく上で

――政治活動を進めていくためには、現実の生活に直面している女性の声をしっかりと聞くことが重要かと

はい。子育てを終えた高齢の政治家は、現在の子育て世代のニーズを十分に理解できていないでしょう。また、子育て支援を最優先課題として捉えていない可能性も高いでしょう。さらに、子育てを奥さん任せにしていた政治家は、子育てに対する理解や関心が薄いため、子育て支援策を立案する際に、当事者の声を十分に反映できていないのではないでしょうか。

高齢化が進むにつれ、政治家は高齢者からの支持を獲得するために、高齢者向けの政策に注力する傾向が強まります。しかし、それは将来の日本にとって持続可能な政策ではないと考えられます。

資源や土地に乏しく、高齢化が進む日本において、将来を担うのは子供たちです。そのため、税金や大人たちの時間を、子供たちのためにもっと積極的に投資していく必要があると考えられます。

実際、高齢者の中には、若者の貧困の実態を知らない人も多くいます。しかし、その実態を知ってもらうことで、協力してくれる人も出てくるのです。そのため、まずは若者の貧困の実態をしっかりと伝えることが重要です。まだ経験の浅い私でも、できることから始めていきたいと思います。

現状では、政治家たちに「身を切る政策」を求めても、なかなか実現しないのが現実です。そのため、政治家だけに頼るのではなく、教育制度を変えることで、将来の政治家たちの意識を高めていく必要があると考えられます。

一人ひとりの子供たちが、自分の頭で考え、おかしいことはおかしいと言えるような教育をしていくことが、将来の日本をより良く変えていくための大切な方法であると考えられます。

現在の日本では、若者たちの政治に対する関心や参加が低い傾向にあります。しかし、教育の段階から、政治の重要性や政治参加の意味を学ぶ機会を増やすことで、若者たちの意識を高めていくことができると考えられます。

学生や20代の若者たちは、まだ結婚や子育てを経験していませんが、いずれは社会の一員として、家庭を築き、子育てをすることになります。そのときに、より良い環境や制度を求めるようになるでしょう。そのため、政治参加や社会問題への関心は、決して不要なことではないと言えます。

――そういう若者に政治に関心を持ってもらうためには「雇用」や「転職」問題にも取り組まねばなりません

人手不足、昇給、外国人労働者など、さまざまな要素が絡み合った複雑な問題であるため、一言で答えを出すことができません。そのため、さまざまな関係者と話し合い、最適な解決策を模索しているところです。

転職先を見つける手段は、インターネットの普及により、以前に比べて容易になってきました。私の活動を手伝ってくれる人たちも、ツイッターで見つけることができるほどです。しかし、見つけた後に信頼関係を築く作業は、いつの時代も大変であるという点は変わりません。

――新しい雇用を生む手段として、カジノ法案が挙げられますが

経済成長や雇用創出のためには、カジノの導入も一つの選択肢であると考えられます。カジノの運営や周辺施設の建設・運営、観光客の誘致などを通じて、さまざまな経済効果が期待できます。また、カジノは地域の活性化にもつながる可能性があります。

カジノの導入は、経済成長や雇用創出、地域の活性化などのメリットが期待できる一方で、ギャンブル依存症などの社会問題への対策も必要である。また、子育てをしている人たちにとっては、カジノのある街に住むことに抵抗があるという意見もある。そのため、カジノの導入については、社会問題への対策や子育て環境への配慮を十分に検討した上で、慎重に判断する必要があると考えております。

一般人から政治家になった大津氏は、2023年だけでも多くの人々に知られることとなった。しかし、その道のりは決して平坦ではなく、むしろ茨の道であった。 それでも、大津氏は「おかしいことはおかしいと言う」、「正しいことをしていくだけ」という信念を貫き、前進し続けている。 その未来の可能性は、大津氏自身にも我々にも計り知れない。