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◆◆◆中畑佐知子(甘木/高林 透子)不要論◆
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231 名前:匿名さん:2009/06/12 11:32
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冬のある日のこと。
不忍池の端を歩いておりますと、今にもお池に身投げをするのではないか
というようなか細く、蒼ざめた少年がいます。慌てて引き止めて事情を聞くに鞄から一冊の本を取り出し、曰く
このポ×ポ×という書物を薦められて春から一所懸命に学習したがまるで成績が上がらない。
本のレベルも著者の問題意識も低く、こちらの士気まで萎え入ってしまうようだ。
もう、こうも努力が報われぬのなら、ここで土座衛門になるより道がない、と。
このお話を聞いて後、わたしはある本を彼に手渡しました。「インテグラル英文読解S」という参考書であります。
春になりました。
往来を急ぐ私に、赤門の方角から、威風堂々たる、自信に満ちた青年が近付いてきます。S一門にもそうはいない押し出しのよさだ。
誰何するに、なんと驚くなかれ、件の脆弱な少年であるとのこと。だが、あまりの見違えように、言葉を失っておりますと
「あなたが呉れたご本のお陰で、(赤門の末席を穢すばかりですが)東京大学生になれました。この本には本物の英語とはなにか、が仔細に書かれていた。
これぞ私が求めていたもので、この本に全幅の信頼を寄せて刻苦勉励した結果、中堅大学である早慶志望のわたしが
いまや立派な国立大学生になれました。ただ、おん著書で学んだだけの私が、Sを名乗るのは僭越ですかね。同級に優秀な奴がいて、聞くと佐知子先生にじかに学んだほんもののSだと
いうのですね。わたしも、Sだと返したいが、躊躇してしまいます」
「佐知子師は大器量のおかた。Sの謦咳に触れた学生を色分けするなどという了見はございますまいよ。私もS一門である。著書を活用しただけのあなたも、同じだ。
さあ、一緒に、思考者宣言を絶叫しよう。Sにあらずんば合格者にあらず、と!」