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言語と心理の関係

215 名前:1:2005/01/25 11:52
Nomen rosaeの火事シーンが、ア○クサンドレイア(Alexと略)の図書館焼失の
パロディであると述べた。小説の修道院は、聖所・研究機関・図書館という複数の
機能を担っているが、Alexの図書館も同じく、神殿(ムーサを祀った)・研究機関・
研究者養成所であった。つまり、大学だ。日本の孔子廟と学問所が合体した湯島聖堂と
似ている。プトレマイオス・エジプトの繁栄は、地中海貿易と金発掘に支えられていた。
Alexは色々な点で面白い。ここに多くのユダヤ人が入植、旧約の70人訳もここで完成。
コイネー・ヘレニズム文化圏だから、ユダヤ教とギリシア哲学の融合の試みもここで
起こった(フィロン、プロティノス)。ただし、住民全員がコイネーを話していたわけでなく、
原住民は土地の言葉を話していたようだ。グノーシス主義の起源は不明だが、おそらく
Alexの周縁部のユダヤ教批判主義者によって形成されていったものだろう。
ユダヤ教にもコイネーにも通じているパウロは、グノーシス主義の教説を知っていたと思われる。
Alex図書館に所蔵されていた本の大半はパピルス文書だっただろう。だから、火災がなくとも、
現在までは残らなかったと思う。エジプトとギリシアのペルガモンが本の収集をめぐって喧嘩をし、
パピルス紙輸出禁止令をくらったペルガモンが羊皮紙を発達させ、欧州にも広まった。
文字を開発しても、それをどこに書くかの問題がある。オリエントでは、当初、石板だった。
簡易な製造法の点でパピルス紙は画期的だったが、耐久性に優れていない。逆に、羊皮紙は
作るのにものすごく手間と時間がかかるが、耐久性に優れているので、現在まで残った。
今日はこれくらいで。
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